EUが「ゲノム編集」(NGT)食品の無規制流通を認めてしまうのではないか、と11日は悲観的な観測を元に投稿した(1)。遺伝子組み換え企業が莫大な資金を投じてEU加盟国の買収し、2018年の欧州裁判所の判決を覆す欧州委員会の見解を発表し、昨年夏には規制緩和に向けた提案を行っており、その採決が年末という状況の中で、情勢は厳しいと考えたからだ。国内では圧倒的な反対であるにも関わらず、政府は賛成してしまう、そんな対応が多く、今後、大変な事態を覚悟した。でも結果は「ゲノム編集」規制緩和提案の承認に必要な過半数が得られず、年内の交渉は終わり。来年の攻防に舞台は移されることになった。
遺伝子組み換えでない生産をサポートし、その表示に関わる団体の連合体であるENGAは声明を発表し、すべての「ゲノム編集」製品(タネや飼料も含む)のトレーサビリティ、表示、検出方法確立のために活動する意志を表明している(2)。もし、検出方法が確立されれば、これまでの世界の流れは大きく変わる可能性がある。すでに、こうした団体のサポートの下で「ゲノム編集」食品の検出方法も研究されており、その進展によって、今後、新ゲノム技術の規制は可能にできるかもしれない。
EUだけが「ゲノム編集」規制緩和に反対しているのではなく、日本の市民の多くも反対であることを示していく必要があるだろう。でも日本では残念ながら「ゲノム編集」トマトや養殖魚の生産地が急速に増えている可能性がある。日本でもしっかり活動していく必要がある。
(1) 11日の投稿
(2) Statement from ENGA: AGRIFISH Council
https://www.enga.org/newsdetails/statement-from-enga-council-of-the-eu-agrifish/