政府の規制が急速になくされている、それがあたかもよいことであるかのように。しかし、それでどんな世界になってしまうか、ちゃんと想像して、その恐ろしさを感じて、手を打たないと大変なことになってしまう。
日本では「ゲノム編集」食品は表示もせずに審査もなしに流通させることが認められてしまっている。これは何をもたらすのか? 遺伝子組み換え作物の栽培国であるカナダで大問題になっている(1)。 “「ゲノム編集」表示ない流通は遺伝子組み換え企業天国実現のため” の続きを読む
食品表示:世界のNon-GMOラベル
食品表示シリーズ、No.4。すでに登場したものもあるのだけど、Non-GMOラベルで出ていないものがあったので、まとめてみた。
米国とヨーロッパでよく使われているNon-GMOラベル。米国、英国、ドイツ、オーストリア、ルクセンブルク、スロベニア、フランスのもの。これ以外にもスーパーなどが独自で表示したものなども含めるとすごい数になるだろう。
米国と日本の食品表示:圧倒的な民間代替ラベルの違い
日本の食品表示、ちょっとヤバいレベルになってきている。ゲノム編集食品は表示一切なし、来年4月以降は「遺伝子組み換え原料を使っていません」という表示も実質的に不可能になってしまう。添加物でも消費者にとって不利なガイドラインが4月に出された。
そうなってきている最大の原因は政府の企業中心主義と政府と企業の回転ドア。つまり民間企業の人間が政府に入り込んで方針を決めてしまうこと。
どこの政府も同じ、というかもしれないけれども、政府はほぼ世界的に巨大企業に買収済みと言わざるを得ないかもしれないが、一方で市民社会はかなり違う。米国では民間代替認証ラベルがたくさん生まれていて、消費者は信頼できるラベルを見て、選ぶ権利が確保されている。
たくさん生まれている、ってどれくらいあるのか、と調べてみた。いやはや、なんと多いこと。とても覚えきれない。なんでこんなにあるの、と調べてみると、これだけ生まれてくる必然が見えてくる。 “米国と日本の食品表示:圧倒的な民間代替ラベルの違い” の続きを読む
企業ロビーが世界を破滅させる:遺伝子組み換え蚊と「ゲノム編集」卵に見る
今、世界で起きている問題の多くはごく一握りのものたちの利益追求があたかも全体の利益であるかのような見せかけのもとに政治が社会が捻じ曲げられてしまうことで起きている。重要な政治的決定がデタラメな前提によって決められてしまい、メディアもなかなか報じない。例は枚挙に暇がないがその1つがこれ。
オスしか生まれない遺伝子組み換えされた蚊が米国で大量に放出されようとしている。 “企業ロビーが世界を破滅させる:遺伝子組み換え蚊と「ゲノム編集」卵に見る” の続きを読む
『ゲノム編集ー神話と現実』3刷目へ−もうすぐ1万人の読者獲得
OKシードプロジェクトの『ゲノム編集−神話と現実』が3刷目に入りました! 最初が2000部(12月)、2刷1500部(1月)、今回1500部で、これまで3500部が捌け、これが売り切れれば合計5000部になります。
ダウンロード版が何人の人にに渡ったかは把握できませんが、ダウンロード数から見て印刷版とほぼ同じ数は少なくとも出ているはずなので、もう少しで1万人の読者を得たと言えるところまで来たと思います。3ヶ月ちょっとでこれだけの読者を得られるとは思いませんでした。
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合成食は世界に何をもたらすか?−培養肉が持つ致命的な欠陥
合成食が食のシステムを変えようとしている。合成食−つまり、細胞培養肉や合成生物学を利用した食(合成生物学は究極の遺伝子組み換えと言われる。生物の遺伝子を書き換えるのではなく、人間が遺伝子を設計した合成生物を作る技術)。巧みな広告戦略を使って、合成食があたかも気候危機対策になる、動物を傷つけない、動物愛護につながるかのような議論で、環境保護や動物愛護関係者が宣伝に一役買おうとしている。
でも、その中身を吟味していくと、その本質は現在の工業的農業、工業的食そのものにぶち当たり、むしろ、現在の世界の危機を作り出している張本人たちがその推進者であることが見えてくる。 “合成食は世界に何をもたらすか?−培養肉が持つ致命的な欠陥” の続きを読む
ケニアの種苗法改正:タネを守ることの意味
今、ケニアで起きていることを見れば、日本で起きていることの本質を理解できる、そして何をすべきかも見えてくるのではないか?
ケニアでは農家が持つタネに代わり、遺伝子組み換え種子を買わされる制度へと変えられようとしている。ケニアの人びとはそれとどう闘っているか見てみよう。 “ケニアの種苗法改正:タネを守ることの意味” の続きを読む
相次ぐ「ゲノム編集」解禁の動きと対抗策
インドは「ゲノム編集」食品(ただし植物のみ)の緩和を決めた。しかも、外来からの遺伝子も塩基も挿入しないSDN-1だけでなく、数塩基を挿入するSDN-2についても認めるという。この決定は科学的な根拠に基づかず、無責任なものだという非難があがっている(1)。
インドだけではない。アフリカでも「ゲノム編集」作物の緩和圧力がかけられている(2)。ヨーロッパで「ゲノム編集」卵が、米国で「ゲノム編集」牛が出てこようとしている。そして中国は世界のトップの「ゲノム編集」農業特許を保有している。「ゲノム編集」生物には従来の遺伝子組み換え生物でも生まれないリスクが起こりうる。その実証は一切せずにバイバスして議会や市民・農民との協議もなく、いきなり栽培開始、市場流通させるというのはあらゆる意味で反科学であり、反民主主義であり、許されていいものではない。 “相次ぐ「ゲノム編集」解禁の動きと対抗策” の続きを読む