「ゲノム編集」推進論者は「ゲノム編集」を規制する国はないと言って、日米政府の突出が突出ではないかのように強弁してきた。EUでは2018年に欧州裁判所によって「ゲノム編集」は従来の遺伝子組み換えと同じ規制対象とするとした判決が出ていたが、それは実行されない、と思っていたのかもしれない。実際にロビー団体による圧力は相当なものだったと考えられるが、フランスでは今後6ヶ月以内に「ゲノム編集」を従来の遺伝子組み換えと同じ規制対象とするように法律を改定することを国務院(行政における最高裁)が命じ、フランス政府側も国務院との共同声明で取り組みを表明した。
フランスに続く国が出てくるだろう。そして、日本はそうした国に農産物を輸出することができなくなる可能性が高い。なにせ日本では一切表示しないのだから、日本の農産物は「ゲノム編集」されているかどうかも見分けがつかなくなるのだから、忌避されざるをえないだろう。経済政策大失策続きの日本政府は海外からの観光客に期待をかけるわけだが、日本がここまで食の安全を重視しないことが知られたら、観光客からも忌避されていきかねない。
もっとも食の輸出や観光は本道ではありえず、まずは地域の食の政策が基本になければならない。そのためにとって「ゲノム編集」の規制はまったなしの課題である。
France must put gene-edited crops under GMO rules this year: court
Plants produced by gene editing or random mutagenesis are subject to EU’s GMO regulations