「みどりの食料システム戦略」を支える環境と調和のとれた食料システムの確立のための環境負荷低減事業活動の促進等に関する法律の成立を受け、その施行規則などに関するパブリックコメントが始まった。締め切りは5月31日。
本当ならばこの法案の成立には、日本のこれまでの農政の大きな転換が必要なものだから、それには大変な議論が必要だったはずなのに、その議論はほぼスルーされて、スピード可決してしまった。参考人陳述の中に重要な指摘はいくつもあったものの、市民の声は国会審議には十分反映されたとは言い切れないのだから、ここでもの申したいという気分になるが、ただ、このパブコメは法律成立を受けて、その施行のあり方へのパブコメなので、この法律の是非をここで論じることは趣旨から外れるだろう。
焦点をあえて絞るとすれば、衆参で全会一致で可決している附帯決議も参照しながら、この施行規則などがそれに沿ったものかを検証することだろう。附帯決議はガス抜きで意味がないと言われるが決議した以上、守ることをチェックする必要がある。
本当にこれで有機農業を50倍にできるのか? 市民が求めている食の安全は確保可能なのか? 農業消滅=農家がいなくなってしまう未来をどう回避できるのか?
そして、これはパブコメからは外れた話題だが、今後、地域の食を守るために、この仕組みはどう活用可能か、この仕組みに欠けているものは何か、を考えていく必要がある。そして、それを地方自治体での条例につなげていくことが考えられる。
地方自治体は基本計画を作ることになっている。でも、果たしてどんな基本計画が作れるだろうか? そう考え始めるとこのみどりの食料システム戦略に欠けている問題が見えてくると思う。5月9日に本格始動するローカルフード法案・条例はみどりの食料システム戦略に欠けている政策をまとめあげたものになっている。
まずはパブリックコメントを送ろう!
パブリックコメント:「環境と調和のとれた食料システムの確立のための環境負荷低減事業活動の促進等に関する法律施行令案」等についての意見・情報の募集について
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=550003476&Mode=0
環境と調和のとれた食料システムの確立のための環境負荷低減事業活動の促進等に関する法律 (参議院 PDF)
https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/208/pdf/t0802080322080.pdf
衆議院農水委員会附帯決議(附帯決議だけ抜き出したものが見つからず、以下の議事録の最後の部分にある)
https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/000920820220330007.htm
参議院農水委員会附帯決議(議事録もまだオンラインで見つからず、参議院インターネット審議中継の附帯決議読み上げの動画。頭出し済み)
https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/detail.php?sid=6845#13355.3
ローカルフード法のサイト
https://localfood.jp/